その物件は売れないだろう・・?
最近、売却のお問い合わせを頂いた方のお話です。
数年前までお身内の方が住んでいた1/2戸建ての長屋。
築年数は不詳になっていますがおそらく60年以上は経過しているでしょうか。
阪急宝塚線の庄内駅まで徒歩8分くらいのところにある豊中市の借地物件です。
名義は亡くなられたお父様の名義で
その長男さんからの売却のご相談でした。
いつものようにまず地主様に名義変更料と新しい地代の確認をしていただき
内覧査定をしました。
お話をお伺いすると
地主様からはまず売れないだろうから更地にして返してほしい・・との事。
長屋の切り離しをしての解体となると隣家の補修を含めて
おそらく250万円~300万円はかかるという見立てです。
また豊中市の解体補助金は50万円程度、実質200万円以上の出費となります。
当然のごとく売却ができればその出費は必要ありません。
地主様に新地代を聞いていただいたところ
現状の地代の約4倍の坪あたり2000円との事でした。
名義変更料は取らないらしいのですが
名義変更料を取っていただいて新地代を下げるほうがこちらとしても売却しやすいのです。
借地面積13.6坪×2000=27,200円はさすがに高いですね。
当然、査定時にこの地代ですと売却するのはかなり厳しい状況だとご説明しました。
今まで比較的場所のいいところの地主様の場合は更地にして返すのが当然ですが
売られると安い地代しか入らないのでそのまま引き取るというケースもありました。
これは以前、大阪市福島区であったケースです。
おそらく返却分の土地がまとまれば売却したほうが
より多くの資金を得られるという意向でしょう。
今回の豊中市の物件も地主様はそう考えているのでは!?と考えましたが
依頼者に新地代の減額を相談してみてくださいとご説明しました。
この借地物件なども今では居住用として購入を考える方は
非常に少なくなりました。
やはり賃貸収益用としてほとんどの購入希望の方はお考えです。
そうするとやはり毎月の地代が収益を圧迫するわけで売りづらくなります。
依頼者さんに何とか頑張って交渉してもらい新地代は1500円に下がりました。
その代わり名義変更料を入れてほしい・・と。
この地主様は土地を返してほしい訳ではなくて本当に売れないだろうと思っていたようですね。
新地代が少し安くなったので売却できる可能性があがりました。
これから売却する物件なので最終売却できるかどうかはわかりませんが
地主様の意向をいい意味で裏切って何とか購入者を見つける予定です。