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建物越境

最近もお問い合わせの際によく聞かれます。

『長屋ですが取り扱ってもらえますか？』

私はいつも答えます。

『弊社の場合ほとんどが長屋です』

査定依頼のお電話をいただく際に2件に1件はこんな会話から始まります。

中には空き家にして長年放置していたので

見せるのも恥ずかしいという方もいらっしゃいますが

そんな方のお家は私から見ればものすごくキレイに管理しているように感じることが多いですね。

さて話は変わりますが最近たて続けにあった例です。

査定している最中に事前に用意していた謄本や地積測量図、建物図面(今はネットで取得できます)

を現地と照らし合わせているとその査定物件の建物の一部が

お隣さんに越境しているではないですか・・。

このままの状態で放置したまま次の買主さんに売ってしまうと買主さんに迷惑がかかるので

売主さん側でお隣さんと話をつけて次の買主さんに売却するのが通例です。

その際に弊社の場合はこんな【確認書】を当事者同士で交わしてもらいます。

第1条 　甲・乙は甲所有の建物の〇〇部分が乙所有土地に越境していること を互いに確認した。

第2条 　甲は前条の越境している部分について、将来、甲所有建物の建替え

または増改築等の再建築を行う際は、撤去または移設を行うものとする。

第3条　甲または乙が所有権を第三者に譲渡する場合は、本書の内容をその 第三者に継承させるものとする。

売主さん側でお隣さんと話をつけると言っても

もちろんお隣さんに対してもアクションを起こすのは弊社で

【確認書】をいただく手配もこちらで行ないます。

以前にこんなケースがありました。

既に購入者が決まっていた物件の建物がお隣さんに越境していることに気づき

お隣さんに伺ったところ、空き家でした。

謄本などで所有者を調べてもわからず、ご近所に聞いてもわかりませんでした。

そして手紙を入れて待ちましたが連絡が来ることがなく、買主さんに説明して断念してもらいました。

もちろんそんな状況でも買主さんが気にしなければそのまま進めるのもありかもしれませんが

建物が越境していることでお隣さんから将来どんな請求を受けるかわかりませんし、

お隣さんがどんな方かもわからないので弊社としてはやはり進めたくない案件です・・。

最近あったケースでは1件は無事確認書をいただくことができ、

もう1件は現在進行形です。

やはり仲介会社として入る以上は売主さんも大事ですが購入者の将来のことも考えて

仲介人としての役目を果たしたいところです。