長屋解体の今昔
今回は長屋の切り離しのお話です。
不動産仲介会社から弊社に長屋の買取の依頼があることがあります。
多い時には月に4~5軒あるのですが中にはこういった内容のものがあります。
『土地はそこそこあるのですが隣家から切り離しの承諾が取れません』
『切り離しなしで買取価格を算出してほしい!』というものです。
この場合、土地は20~30坪ついていて解体切り離しが出来れば
建て替え用地になって売却もスムーズにいくのですが何せ隣家が反対しているので・・。
そのような建物は築20~30年どころの話ではなく
築40年以上は軽く経過している家になります。
そこで切り離した際の保障はどうしてくれるのか!?と隣から言われれば
誰でも躊躇してしまうのではないでしょうか?
古い長屋を切り離し解体工事を行えば大抵、隣家は影響がないことはないでしょう。
それで傾いたとか建付けが悪くなったと言われればエンドレスに修理することになるかも知れません。
今までの長屋の一部解体の際には『お互い様だから・・』といって多少の事は辛抱されて
普通に承諾してくれる方が多かった印象がありますが今では全く逆のケースが多いです。
ただ長屋の内の1軒がほとんど解体できないとなると
大阪はおろか日本中に古い長屋が多く残り、その前を歩くのも危険な状態になるかも・・。
そうなると長屋の全世帯が解体するタイミングを見計らって同時にやるしかないのでしょうか?
難しい問題ではありますがやはり老朽化を防ぎ、不動産の流通などを考えると
隣家の協力を得てなるべくスムーズに解体できるに越したことはありません。
最近査定にお伺いした物件も隣家が反対されているというものがありました。
そのお客様の場合はお力になれなかったのですが最終はお金で解決されるのでしょうか?
そういえば最近、別の建売中心の不動産会社の社長さんから
『よく古い家ばかり売り買いできるねぇ・・私は怖いけど・・』と言われました。
確かに新築の場合は保証が10年と長いですが全て新しいのでないかと安心です。
古い家の場合、例えば大掛かりなリフォームをして再販売する場合の保証は2年ですが
全てリフォームして売る場合は確かに少ないので契約不適合責任を問われることも
可能性から言うと高いかも知れません。
しかし開業してからほとんど古い家ばかりやっているので怖いとは思いません。
リスクはあるにしても新築でも土地でも何かあるときはありますので・・。
しかしボロボロの家が綺麗になるとこれまた何とも言えない嬉しさがありますので
これからも老朽化物件を楽しみながら売り買いしようと思っています。