階段のない2階建の家②
前回の続きです。
査定にお伺いした長屋ですが内覧中に階段がないことに気づきました。
『この家は2階建てでしたよね?』
【そうです】
『2階はどこから上がるのですか?』
【実は・・・】
『えーーーーーっ!!?』
〇〇〇〇経由
実は借りていたお隣の方が知らない間に行き来できるようにされたのです・・と。
隣との間に扉があり、それを開けると・・階段がありました。
そうです。
2階に上がる階段はお隣を経由して上がるようにリフォームされていました。
不動産業歴25年以上の私もさすがに口がアングリしました・・。
とりあえずそのお隣の階段で2階に上がり、本物件にまた入る扉を開けて入る訳です。
そうして2階を確認しましたが雨漏りに関してはその逆隣との間からも漏っているようです。
階段はお隣経由、雨漏り修理にはかなりの費用が掛かる・・買取は難?
今回の依頼者は当初貸されていた祖母の方から引き継いだものであり、かなりの年月貸していた為にいつお隣と行き来できる工事をされたのかも把握されていませんでした。
まず家の売却よりもお隣さんに現状回復してもらうのが先決だというお話をしました。
しかしそのお隣さんは回復もそれにかかる費用も出せないの一点張りとの事。
今回はそのお隣さんから階段を使用したわけなのですが・・・?
出費を少なく
こうなれば買取査定というより、今後この家を手放すのにどの方法が出費が少ないのか?
そんな話に代わっていきました。
まずはお隣さんとの扉を廃止して壁にし、元々あったという場所に階段を復旧。
本来はここから査定の話です。
仮に階段を復旧して買い取ったとしてもお風呂がなく、雨漏りの修理もある。
そうなれば買い取っても採算はまず合いません。
借地なので転売用ではなく賃貸収益用になる上に地代も必要だからです。
それではいっその事、解体して地主(財務局)に返却するのはどうでしょう?
双方くっついている長屋です。
切り離し工事が必要な事と大きな車が入らない小運搬が必要な立地を考えれば通常の解体費用より割高になるのは火を見るより明らかです。
業歴ベスト3
しかし最後は私も協力してなるべく安い解体業者さんを探そう!という結論になりました。
相見積もりをとっても特殊な立地、切離し補修があるので上下の開きは大きいでしょうね。
しかしながら昔から我が家の様に使用していたお隣さん。
一般常識も何もありませんね。
基本、賃貸契約には原状回復をして返却する旨が謳っていますが・・。
ただ依頼者の方は昔からの話で細かいところは全くわからないとの事。
もしかしたら昭和初期から貸していたのかも知れません。
なので代が変われば色々と言いたいことも言えなくなるのもわからなくもありません。
今回の口アングリした査定は不動産歴ベスト3には必ず入る案件でした!